鍼灸業界のトンデモ理論2004/01/12

『医道の日本』という鍼灸の業界誌がある。戦前からある息の長い雑誌だ。おととい新年号を買った。毎年、新年号には業界を牽引する人たちの一言挨拶が掲載される。今年は100人近いだろうか?それぞれが関心を持っていることや、どういう仕事をしていることなどを書いているのだが、400~800字くらいの文章とはいえ人柄が出ていて面白い。

特に面白いのは大学や学会などから離れてこつこつ古典を研究してきた人の文章だ。大学の研究者(医学・理系・文系含む)や医師などは高度な学問的訓練を受けているので、しっかりした考え方をしているのだが、そういうところから離れて治療院を構え、臨床をしながら古典研究をしている人は、かなり「トンデル理論」を書いていることが多い。

中国医学の古典は自然哲学の一種なので、かなり哲学的に「構成」されたものだ。一種の物語といってもいい。多くの古典は事実と関係づけて構成されているのでそれなりに説得力があるのだが、現代の我々が読むときには謎解きの部分がかなりある。その謎解きの部分がトンデモ解釈を生み出す。現代科学と関連づけて書いたりしていても、我田引水というかトンデモ曲解してトンデモ理論を補強する。

さらに、業界にはこの手のトンデモ理論をころっと信じてしまう人間が多い。これは現在の教育制度にあるのだろうな。もっと統計学とか科学哲学・EBM・現代思想といったものをカリキュラムに取り入れて、迷信に陥らない訓練をしないといけないだろうね。

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