解釈は信念体系の投影2004/03/31

前回の最後で次のように述べた。

しかしその場合でも解釈者が持っている世界観や知識が大きく影響する。それまで排除するのはなかなか難しい。

解釈を誤る原因のひとつに、解釈が解釈者の世界観によって影響されるという問題がある。たとえばこんな具合だ。

現代中医学を学習するにはまず中医基礎の教科書を勉強しなければならない。陰陽五行説といった中国哲学の基本や、人体観・生理・病理などの中国医学の基礎理論をまとめてある。本が違っても内容はだいたい同じものだ。

一昔前の中医基礎では、陰陽論の冒頭に「これは祖国の古代人が発明した素朴な唯物論的弁証法で云々」という類の文章がかならず入っていた。ようするに解釈の前提として社会主義的な唯物論思想や弁証法があるのである。これはあくまでも解釈する側の信念体系の投影であって、中国医学のベースとなっている本来の陰陽論を正確に説明しているものではない。昔仏教学を勉強しているときも感じたのだが、基本的な単語の概念ひとつをとっても、解釈に解釈者の信念体系がどうしても投影されて、本来の概念を正確にトレースすることは不可能に近い。

ではどうすればいいのか?というのを次回に考えてみたい。

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