天皇制マルクス主義者2010/01/12

私は最近、精神科医の野田俊作先生を思想家として尊敬している。その野田先生が鋭いことを言っていたので紹介しよう。


ちょっと余談になるけれど、なぜ日本の左翼が愛国者でないのかについて、最近わかってきた。だいたい、共産主義者だの社会主義者だのというのは、ホーチミンだってカストロだって、その他どこの国でも愛国者だ(ただし毛沢東と金日成は除く)。ところが、日本でだけは売国奴だ。それはどうしてか。それは、戦前の右翼の一部が、実は「天皇をかついだマルクス主義者」だったからだ。彼らは愛国者で、かつマルクス主義者だった。そうなると、本物のマルクス主義者、つまり左翼、たちは「反天皇」にならざるをえず、コミンテルンもまたそのように指令を出していた。ところが、この国の伝統では、反天皇イコール反日本国家だから、それ以来、日本の共産主義者や社会主義者は売国奴なのだ。
野田俊作の補正項 20010/1/9より

日本の左翼に愛国者がいないのは、戦前の右翼に「天皇をかついだマルクス主義者」がいたからだとの指摘は的を射ているだろう。日本の戦後の左翼運動の根幹は、反天皇制にある。その理由としてそれしか存在理由を見つけられなかったからということだ。

日本には古来から国体と政体という発想があった。国体は国柄、日本の精神性の問題で、この根幹は天皇家-ご皇室がになってきた。それに対して政体は政治制度である。政体は貴族社会であったり、武士社会であったり、民主主義社会であったりしたわけだ。国体と政体は別物なので、国体としての天皇制は、左から右まで、どのような政体であっても結びつきうる。戦前の政治思想家には天皇制の極右思想から極左思想まで考えた人たちがいたわけだ。だとしたら、外来の左翼思想にとっては反天皇制しか存在理由を見いださざるを得ないだろう。

じゃあ反天皇制の愛国者というのは存在しうるかということだが、日本を作ったのが天皇家のご先祖であり、天皇制を否定することは日本国および日本文化を否定するのと同義だ。野田先生の「この国の伝統では、反天皇イコール反日本国家だから」というお考えはそのことをふまえていらっしゃるのだろう。

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