密教文献はムズイんじゃ!

先日書いた覚鑁の「五輪九字明秘密釈」にはどんなことが書いてあるか、概要だけでも知りたくて、ネットサーフをしていたが、見つからなかった。そこで大正新修大蔵経のテキストデータを検索していたら、原文があった。さっそく印刷してぱらぱら読んでみたんだが、仏教の基本用語は知っているとはいえ、知らない専門用語も多く、密教文献は難しい(/o;) 

五蔵観の概要はつかめたが、五大と五蔵の対応関係が、五行と五蔵の関係とは違うので、これはどうとらえたらいいんだろう。。。専門書読まないと分からない。

それはそうと、読んでいてひらめいたことがある。五行色体表から五行曼陀羅をつくって、瞑想の道具にしようかと。。。

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五蔵を瞑想する -多賀大社フォーラム感想2-

今回の多賀フォーラムで予想外の収穫は「興教大師・覚鑁(かくばん)の身体論と身体技法」という正木晃先生の講演だ。

正木先生は密教研究の専門家なのだが、私が大学生のころはたぶん本を出版されていなかったのではないかな・・・少なくとも読んだ記憶はない。そのころは松長有慶先生・金岡秀友先生などの大御所が大部の研究書を出したり、若手なら津田真一先生、頼富本宏先生あたりが本を出し始めた頃だったように思う。そうそう、アマゾンで正木先生の本を調べていたら、大学時代の恩師のひとり、ツルティム・ケサン先生と共著を出していらっしゃるじゃないか。『チベット密教』という本なのだが、何年も前に買っておいて、ほとんど読まずに本棚に眠っているのを思い出した。ツルティム先生は、私が授業が受けていた頃にはだいぶ日常会話が上手くなっておられて普通に会話できたが、学術書を日本語で執筆されるのには少々苦しかったのか共著が多かった。正木先生もそういう感じで共著?・・・なんてヨタ話はどうでもいいですね。

さて覚鑁は真言宗中興の祖である。真宗でいうと蓮如みたいなものだな。その覚鑁に『五輪九字明秘密釈』とい主著があって、そこに出てくる「五蔵観」のエッセンスを解説するというのが正木先生の講演だった。この密教の五蔵観はどういうもので、中国医学の五蔵とどうちがうのか?あたりが話のポイントだった。

この五蔵観の前提には、密教 -- というよりインド思想でいう五大という考え方がある。万物の構成要素を地水火風空の五つのカテゴリーに分けたのだが、これが現象として何を指しているのかがまず問題になる。「アリストテレス四因説における形相因か質量因どちらに相当するのか?」、私は形相因に相当する、形相因を五つの性質に分類したものだと考えている。でないと五大を瞑想の対象とするときに意味がなくなるからだ。五大は現象として何に相当するか?という重要な問題は手元にあるインド哲学関係の本をしらべてもあまり明確に書いていないものが多い。瞑想もしない仏教学者もいるし、自分の瞑想体験を論文に反映しても論文として評価されないからなぁ。このあたりのことを正木先生に質問したかったのだが、質問の時間が無くてヒジョーに残念だった。

五大を形相因に相当すると考える理由を神秘学的(人智学的)に考えてみたい。形相因は人智学でいうところのエーテル界、人間ではエーテル体に相当する。このあたりは人智学の師匠の高橋巌先生に教えていただいたことなので間違いは無いだろう。「いわゆる瞑想」には止観の二種類があって、止は意識の働きを止めること、観は積極的に何かをイメージすることだ。前者を集中、後者を瞑想といってもいいだろう。ここで重要なのは、瞑想でイメージする像が何であるか知ることが重要である。

瞑想におけるイメージングでは像を表象することから始まる。最初期の段階ではこの像はエーテル体に映し出されたもの、というのがシュタイナーの考え方だが、イメージングを続けていくと像がエーテル界に働きかけるようになり、意識がエーテル界と一体化するようになる。意識がエーテル化することによって対象が物質界に関するものなら物質に作用し、霊界に作用するものなら霊界の作用するのだが、それがエーテル界の知覚体験ともなる。これは自我(Geist/atoman/人間の霊的部分が)がエーテル界に広がり一体化することでもある。密教における行法における入我我入、インドの宗教思想の梵我一如の体験の入り口であり核心でもある。

それから正木先生は密教における五大と五蔵の関係のお話をされているときに、「五蔵観の臟を、(中医や解剖学的な?)臓腑と直接結びつけてはいけない。(五大の)水は液体だからね・・・」という主旨のことを言われた。これを聞いて私は「そのとおりだ!」って思ったのですが、あとあと考えてみると、中医の五蔵より六気と結びつける方がいいだろうと思った(体内の六気は普通、暑は入れないで五気になるが)。臓腑が正常に働いているときは六気(五気)は正気だが、臓腑が失調すると内生の邪となる。たとえば肝は風の気をコントロールする臓腑なので、肝の臟が失調すると内生の風邪が発生する。このとこについても質問したかったけどほんとうに残念だ。

まあ正木先生の話を聞いてこんなことを考えていた。企業秘密を少し漏らすのだが、中医理論の理解を深化・再構築するために臓腑の形と気、六気を対象にした瞑想をしている。『五藏六府形気観』『六気観』といったところか?こんなヘンタイチックなことを考えているのは日本の鍼灸師の中でもあまりいないのではないかと思うのだが、何人かはいそうだとも思う。。。そういう方がいらっしゃればぜひコメントまたはご連絡ください。

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名人芸 -多賀大社フォーラム感想1-

今回の書き込みはプロもくしくは学生向けであり、考えることがあってわざとわかりにくく書いているのでご容赦を。

9月の2日から3日にかけて滋賀県の多賀神社へ、多賀大社フォーラムという鍼灸の研修会に行って来た。プログラムは後援している六然社のHPある。どの演題も興味があったので、1日治療院を休診にして、いそいそと出かけていった。どれも内容も密度も高く大変勉強になった。はっきり言って安すぎて恐縮したくらいだ。

演目で一番聞きたかったのは2日の南谷旺伯先生の散鍼の講義だった。南谷先生は、昭和の名鍼灸師のひとりとして名高い井上恵理先生の直弟子である。散鍼のやり方にはいろいろ流儀があるが、井上先生の系統のは見たことがなくて、以前から見たかった。

鍼灸の流儀にはいろいろあって、それは人間観から診察方法、具体的な刺し方にまでおよぶ。時代々々によっての流行なんてのもある。当院は中医系の古流派をベースにしており、鍼を刺す時の姿勢・身体操作の基本は中国武術の身体操作方がベースにある。だから患者さんの体を鍼で刺激する方法は中国的である(ただし学院派の荒っぽいやり方とは全然違う)。いろいろ工夫して、日本人に合うように改良しているが改善の余地はたくさんある。そこで最近気になっているのが超浅刺と散鍼である。超浅刺は大分の首藤博明の発案になるもので、これは見たことがあり、特訓中である。私は刺入に際して捻鍼をしないので、ちょっともたついている。散鍼についてはいろいろ流儀があり、私の流儀にもあるが、てい鍼を使ったもので、手先の技術はあまり必要がない(あえていうと皮膚を観察して弁証する感覚の鋭敏さが必要か)。

さて、南谷先生は目下の我々にも礼儀正しく好々爺って感じで、人格的にも学ぶことも多かったが、それよりも華麗な散鍼の手の動きにただただ圧倒された。特に押手の動きはヘビやウナギがくねくねと体を動かして水中を泳ぐような華麗な手さばきだ(たとえが悪いか?)。実技時間に「被検者になりたい人」と言われたときに手を挙げたら運良く指名された。ラッキー!散鍼を受けている時まず感じたのは、鍼が当たっている感覚がないこと。押手と刺手が別々なので鍼が皮膚に接触する感覚くらいあるだろうと思っていたが、全く感じない。もうひとつ感じたのは押手を移動させるときの心地よさである。リズミカルで気持がいい。他には押手をリズミカルに動かしているときにも気の往来を感じるようにとの説明をされたときには、はっと気づくものがあった。

さて今後の課題はこれをマネできるかってことである。幸いにして多賀フォーラムを主催している長野仁先生の唯掌論のDVDが販売されていたので買ってみた(販売は和方鍼灸友の会会員限定らしい)。散鍼の細かい訓練法が述べられている。こういうわかりやすくて体系だった指導方法のDVDってあまり見かけない。買う時に5000円は高いと思ったが、見てみるとこれまた「安すぎる!」と思った。これを半年くらい修練し、我々の流儀の訓練方法用にアレンジして組み入れてみよう。長野先生にはどんどん本を書いてもらいたい。

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里芋湿布は結構使える

カゼをひきかけて喉をやられた。リンパ腺の腫れと喉の痛みが少しある。耳にもやや放散痛がある。

そこで里芋湿布をやってみた。里芋湿布とは里芋パスターともいい、里芋をすり下ろしてショウガと小麦粉を加えてペースト状にし、ガーゼに包んで湿布としたものである。捻挫や打撲・関節炎などの炎症性の症状によく効く。自然食・自然療法の愛好家には昔からよく知られて、個人的には病院で出される消炎剤含有の湿布より効くように感じている。

今までは外傷による炎症にしか使ったことがなかったが、手持ちの文献によるとカゼによる喉の痛みに有効と書いてあるので、効くかどうか試してみた。不格好なので治療中には使えない。そこで寝る前に作って喉に貼り、テープで固定してそのまま寝た。

夜の12時頃に寝て朝5時頃に目が覚めた。すると喉の痛みもリンパの腫れも半分以下になっている。なかなか良い感じだ。5時間も同じものを貼り続けるのは長すぎるので、作り替えて貼り直した。出勤前に剥がしたのだが、痛みも腫れも寝る前の2割くらいになっている。これならもう大丈夫だろう。

自然療法は玉石混合であることと、どのような症状に有効かを鑑別しないといけない点に注意していれば、結構使えるから面白い。昔の文献を読んでいると、昭和の前半くらいまでは、一般の人でもこのような智慧を持っていた一般人が結構いたようである。病院での治療の補助としても使ったのだろう。そういう智慧はすっかりすたれてしまったが、もうちょっと復活させないといけないと思う。患者さんにも勧めてみよう。

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中華伝承医学会 第1回新人研修会お知らせ

私が属している流派の中華伝承医学会が、4月より初心者向けの講習会をやりますので、以下にご紹介します。

監修は会の代表である大橋一雅医師で、実際の講習は20年以上の経験を有する陳秀香を中心に、サブとして鹿島が担当します。都合により、他の講師が講習をすることもあります。

1回目は大橋が講義を行い、2回目以降は陳秀香と鹿島が担当します。
初級は入門的な話が続きますが、他では聞けないような内容をたくさん公開する予定です。
初級編をある程度マスターしていただくと、午後からの中級編への参加も可能です。

本格的な中国古流の伝承医学を学びたい方はぜひご参加ください。

対象
・鍼灸師、柔整師、あんまマッサージ指圧師などの治療家
・鍼灸専門学校などの学生
・資格を問わず東洋医学(漢方・鍼灸・推拿・正骨など)に興味のある方
講義内容
・中国古流の伝承医学入門
・脉診(気口九道・奇経八脈)・望診を中心に、弁証施治
・患部に直接打たずに遠隔操作する配穴法
講師陣
  監修  大橋一雅 (医師・医学博士)
  講師  陳秀香 (鍼灸あんまマッサージ指圧師)
  講師  鹿島洋志 (鍼灸あんまマッサージ指圧師)
平成18年度 第1回新人研修会(4/23)

    <日時> 2006年4月23日 日曜日 10:30AM~12:00PM
    <場所> 四天王寺さんめい苑 1階 わいわいルーム
           大阪市阿倍野区三明町1-2-29
           地図リンク
          ※場所は変更されることがありますので、必ず
           お問い合わせの上ご参加ください。

    <内容> 講義「陰陽五行論」 (大橋講師)
           実技「臨床姿勢について」

    <参加費> ¥2,000

    <問い合わせ先>
      ベーネ南船場治療院 ホームページ
       ℡06-6251-1820

      かしま鍼灸治療院 ホームページ
      ℡06-6357-0188

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チャングムの鍼は痛い?

TVはあまり見ないのだが、NHKのBSで放映中の『チャングムの誓い』が気に入って、初回からずっと見ている。ドラマ舞台が宮中の病院にあたる内医院(ネイウォン)に移ってから、中国医学の診察や治療の場面がいろいろ出てきて、なかなか面白い。

顔面診(顔の色や状態を診る)・舌診(舌を診る)・脉診(脉を診る)をする場面がたびたびでくるのだが、ちゃんと中国医学のセオリーどおりになっている。しかしときどき「えっ?」って思う場面もある。

たとえば顔面診なのだが、ドラマでは全体の色の話しか出てこない。実際はそんな大雑把ものではなく、顔には五藏六腑に対応した場所があり、そこの色や状態、相互の関係を診なければならい。脉診も総按脉といって、おおざっぱな脉診方法だ。

一番気になったのは、診察法でなくて鍼治療だ。ドラマの鍼を刺す場面を専門家の私からみてみると、かなり痛いのではないかと思う。

まず、なんといっても鍼が太い。日本で通常使っている鍼よりもかなり太い。爪楊枝ぐらいあるのではないか?日本でよく使われるのは0.16ミリ(1番)~0.26ミリ(5番)くらい。ドラマで使われているのは5番鍼の倍は軽く超えそうだ。もっとも日本でも昔の鍼かなり太かったようで、森ノ宮医療学園のはりきゅうミュージアムで見た江戸時代の鍼はかなり太かったように覚えている。

それから鍼の刺し方。鍼を刺す通常の方法は、まず皮膚に刺し(切皮)、そこから深く押し込むというぐあいに2段階に分かれている。ドラマでは切皮のときスナップをきかせて片手でしているが、これはうまくやらないとかなり痛いと思う。とくに太い場合は切れ味の良い鍼を使わないと痛みが出やすい。

日本では鍼管とよばれている筒を使って切皮するのが一般的だ。江戸時代の杉山和一という人が考え出した切皮法だ。鍼管を使うと痛みが少ない。ただし『チャングムの誓い』は16世紀ごろの時代設定になっているので管鍼法はまだ生み出されていなかった。鍼管を使用しない場合、右利きなら左手で針の先の方と皮膚を固定して、右手で押し入れる。

ちなみに『チャングムの誓い』のガイドブックを読むと、ドラマで鍼を実際に刺される人は、役者とは別にいるそうである。内出血しやすい刺し方、抜き方をしているからじゃないかなぁ・・・と思ってしまうが・・・

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鍼灸書古本、本日の収穫

大阪天満橋のOMMビルで古本市が開催されていたので行ってきた。欲しい本・読みたい本はたくさんあるのだが、時間とお金がないので本当に必要なものしか買わないようにしている。

「本当に必要」なのは医学書や関連する思想・哲学書など。特に東洋医学関係の本である。しかしこの分野の本は置いている店が少ない。市場が非常に狭く、購読者も限られているからだ。そのために出版部数も少ない。一昔前のインド哲学の専門書みたいに、「500部売れたらベストセラー」みたいな世界だ。最近は鍼灸師の数が増えてきたので市場もやや広がっていると思うが、昔に出版された本は印刷部数がきわめて少ないと思う。

本日の収穫は次の3冊。
『難経集註』の影印本 日本内経医学会 1000円
『和譯校訂 鍼灸遡洄集』   1000円 
『経絡治療要項』福島弘道   500円

『難経集註』は最近出版されているが版元絶版らしい。

『和譯校訂 鍼灸遡洄集』は保宝弥一郎先生が昭和の初期に翻訳したものを、井上恵理先生が筆写・解説を加えて出版されたもので、これは掘り出し物かも?

最後の『経絡治療要項』は有名な福島先生が書かれたものなので買ってみた。内容はたいしたものではないので、500円以上だったら買わなかったと思う。

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天人相応説

国際日本文化研究センターのHPに講演ライブラリーがある。貴重なお話がただで聴けるのはあたりがたいことだ。道教の神秘思想の研究で有名な坂出祥伸先生の講演録「響き合う身体-気-」を聴いていたら中国の天人相応説の解説が出てきて勉強になった。

天人相応説というのは自然界原理と人間の原理が相応しているという考えで、古代中国の基本的な思想のひとつである。もちろん中国医学の基本原理も天人相応説にもとづいている。天人相応説が実用レベルでもっとも有益な利用がなされているのはおそらく中国医学だろう。このことについて以前学生に講義したものをまとめた文章「脉診の基本構造」を治療院のHPに載せたので興味のある方は読んでみてください。

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乳児に漢方薬を飲ませるのは難しい3

土曜に漢方薬局へ行って、人参と根菜のお粥のことを話すると人参湯の煎じ薬を処方してくれた。人参湯は風邪のピークが過ぎ、カゼが胃腸に来て下痢をしたときに出す処方である。

これを煎じてお粥に混ぜて飲ませるとウンチが出なくなった。日曜も出ない。ひどい下痢をしていたのでウンチが出ないのは心配しなかった。すると月曜になってやっと固いのがでた。ヤレヤレ

今回のカゼ治療の教訓は、「乳幼児にいかにして薬を飲ませるか?」であった。

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乳児に漢方薬を飲ませるのは難しい2

結局息子は、黄耆建中湯は飲んでくれなかった(TOT)。もう熱は出ないようなので、朝鮮人参を多めにして大棗といっしょ煎じたものをお粥にした。朝鮮人参と大棗だけではちょっとクセがあるので鳥のササミに大根・山芋などを入れて、最後に鰹節をふりかけた。お腹がすいていたのか、結構食べてくれた。

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乳児に漢方薬を飲ませるのは難しい

人参粥の記事を書いたらその話を聞いた兄弟弟子からメールが来て、「レシピがちょっと違う・・・」f^^;
お粥ではなくて『根菜と豚肉の煮物』らしい。豚肉・大根・山芋は滋陰作用の強い食べ物なのだがそれに人参酒をいれたらしい・・・なんだ、記憶していたのとずいぶん違う。トホホ

まあそれはいいとして息子の話だが大棗と人参でお粥を作ってやったが、下痢が止まらないし、熱も下がらない。
朝鮮人参といっても安物を微量だったので、熱が下がらない原因にはならないだろう、3昼夜高熱が出たりやや下がったりした。瀉血したのがだめだったので何度かアセトアミノフェンを服用させたが、一時的にしか下がらない。かと思うと今日の未明に急に下がりだした。これは薬の効果ではなく、急に自然治癒力がはたらいたような下がり方だった。うーん、子供の身体は変化が早くてよくわからん。。。

まあ、ひとまず安心したのだが下痢がひどいので漢方薬局へ行ってなにか薬はないかと相談した。発熱しているときに親になにやら変な味の漢方薬だの食事だの与えられたせいか、変な味の物を受け付けられなくなった。そのことをオヤジさんに相談すると「うーん、困ったなぁ・・・」といわれたが、「まあこれに膠飴(米飴)でも混ぜて飲ましてみて。」と渡されたのが、黄耆建中湯のエキス剤。小建中湯の変方で子供によく処方される飲みやすい薬だ。さて、飲んでくれるか・・・

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朝鮮人参粥

先日、兄弟弟子と師匠を囲んで宴会をした。兄弟子と子供の体調不良の話をしていたのだが、朝鮮人参酒を使ったお粥を教えてもらった。兄弟子の子供さんがカゼをひいたあと、食欲が出なくて困っていたとき、朝鮮人参酒を適量お粥に入れて食べさせたら食欲が出たらしい。

むう、人参酒はこういうときにも使えるなあ。質はあまりよくないがもらい物の朝鮮人参が数本あったので、ホワイトリカーでつけてみた。半年はねかさないといけないなあ。

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秘伝の食べ物、嘔吐する幼児用

昨日の昼ごろ、子供が嘔吐と下痢をした。夜になって高熱が出た。数日前から青ばなが出ていてカゼぎみだったのだが、日曜に奈良の伯母さんのところへ遊びに行って悪化したらしい。

私は仕事中だったので何もできず、ヨメに病院に行かせて薬をもらってきた。症状のきついときは安全な西洋薬を飲ませた方が勝負が早かったりするので、医師の処方にしたがって薬を飲ませた。しばらくすると嘔吐がおさまりかけたので飲ませるものを考えた。ここで中国医学の本領発揮・・・

ちょうど米あめがあったので、大棗(干ナツメ)をあらかじめ煎じておき、フラクトオリゴ糖といっしょにとか仕入れた。漢方薬は帰脾湯のエキス剤くらいしか使えそうなものがなかったので、一袋だけ入れておいた。

大棗は胃腸の働きを調える。フラクトオリゴ糖はビフィズス菌のエサで、下痢をして悪化した腸内細菌叢を回復させる。米あめはご飯のかわりだ。これだけで1~2日くらいは固形物を与えなくても大丈夫だ。

ちょっと濃いめのをたくさん作っておき、飲むときに適当にお湯で薄めて飲ませる。甘いのでけっこうごくごく飲んでくれた。

明日、お粥が食べられるかもしれないので、大棗と朝鮮人参を煎じておいた。お粥を炊くときに適量を入れてやると甘みがあって食欲が出るだろう。

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中国医学を理解するためのポイント

日本人智学協会に属するあるグループから、雑誌に載せる原稿を書いて欲しいという依頼があった。中国医学について原稿用紙5枚という厳しい制約の中で四苦八苦して書きあげた。担当者の方にそれを送ると「テーマと少しずれるので書き直して欲しい」という要望が帰ってきたので書き直して再送した。

ボツになった原稿は、言われてみれば確かに少しずれている;^^)私がわるいんだぁ。トホホ
まあこのまま葬り去るのはもったいないので、ここに載せておく。タイトルは・・・ボツだったから考えてません(苦笑

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今年の抱負

あけましておめでとうございます。

今年始めての書き込みです。
昨年後半から患者さんが右肩上がりで増え始め、雑事を増えて年末はなかなか書き込めなかったのだが、ちょくちょく読んで頂いている方がいて、新しいのを書けといううれしい催促もいただいている。

今年は中医の古典をもうちょっと真剣に読み込んでいこうかと思う。中医で出てくる用語の概念はなかなか実感をもってイメージできないのだが、そのイメージ化の作業をもっとしていこうかと思う。現代中医の古典の解説書ではなかなか明確にイメージ化できない。本を書いている人でもほとんどの人は概念を具体的にイメージできていないのではなかろうか?

ここでいう具体的なイメージ化というのは概念を感覚的に実感できるということである。中医を学ぶほとんど人は(もちろん学者もふくめてだが)、中医で用いられる概念を抽象的なフィクションとしてしか捉えられていないと思う。これは感性の問題である。昔の人と現代人とでは自然や肉体に関する感性が全然違っているという確信が私の中にはある。だから古典を書いた人には感覚的に実感できていたことでも、その時代の人とは違う現代のわれわれが読むと抽象的にしか理解できないということがたくさんあるとおもう。中医の古典を書いた人の感性を自分の中に蘇らせたいという衝動がある。この問題をもっと深めるのがこれからの私の課題だ。

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小児の疳虫(かんむし)に甘麦大棗湯

息子の鼻水と痰のキレをよくするために甘草乾姜湯を漢方薬局へ買いに行く話を書いたが、行ったときにオヤジさんに疳虫(かんむし)の漢方薬のことを聞いてみた。それで処方されたのが甘麦大棗湯である。中医方剤学の辞典で調べてみると、効能に養心安神と書いてある。『金匱要略』に記載されているので、ずいぶん昔からつかわれているようだ。『金匱要略』婦人雜病脉證并治第二十二には「 婦人藏躁.喜悲傷欲哭.象如神靈所作.數欠伸.甘麥大棗湯主」と書いている。出産した女性が、産後の肥立ちがわるくて、また育児ノイローゼがかさなり、精神的に不安定になったときに使うようだ。

甘麥大棗湯を構成する生薬は甘草・小麦・大棗である。甘草は甘味、大棗はナツメである。小麦は小麦粉の小麦である。これも一般食品から構成されているんだなあ。甘草や大棗は中華料理で多用されるから、中国食品を売っているお見せなら必ず置いている。最近は大型スーパーにも置いているところがあるなあ。しかも安い食材だ。

漢方薬局のオヤジさんに処方してもらったのはエキス剤なのだが、お湯で溶かして息子に飲ませてやっると、甘いのが気に入ったのか、ニッコリしながら「もっとくれ!」とせがまれる。あのぉ~、ジュースじゃないんですけれども・・・(笑

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乳児のカゼに乾姜甘草湯

息子が数週間前にカゼをひいたのだが、2週間たっても鼻水と痰が絡んで切れないでいた。顔診ると胃が冷えてからだを温める力が低下して湿邪をさばけない様子だ。ある程度の年齢なら、温灸などで温めるのだが、息子は生後10ヶ月なので、じっとしてられないから無理。小児鍼という手もあるが胃の冷えは小児鍼で背中やお腹をたたいても速効性はむずかしい。そこで治療院近くの漢方薬局のオヤジさんに相談した。そうすると、乾姜甘草湯を処方してくれた。乾姜はショウガを乾燥させたもので、甘草はお菓子や清涼飲料水なんかの甘味料として入っている甘い生薬だ。

自宅へ持って帰ってさっそく煎じて飲ましてやった。甘いし辛味が緩和されたショウガが入っているので結構美味しそうに飲んでくれた。数日飲ませてやると、鼻水も痰も治ってしまった。

乾姜甘草湯をヨメやおばあちゃんに味見させてやると「おいしくない」と評したが、私は結構美味しいとおもうけどなぁ。息子は甘い系統の漢方薬なら少々変な味がするのでも飲んでくれる。将来は漢方家か?(笑

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ペットの鍼灸治療2

 以前ペットの鍼灸治療という記事を書いたが、それを読んでくださった福岡の獣医師の方がいろいろ資料を送って下さった。先生は特に牛のお灸治療を精力的に広めていらっしゃるようで、国内のみならず学会等で国外にも紹介されているという。また先生が牛のお灸治療を酪農家の方に指導してらっしゃる。業界では有名人のようで、たびたび地方テレビで放映されているようである。その映像を編集したDVDが送って頂いた資料の中にあった。まことにありがたいことだ。
 先生のお手紙によると犬猫などのペットの鍼治療はあまりお金にならないので、やっている動物病院は少ないそうです。「同封した犬と猫の経穴図をもとに、ご自分のペットで試されてみては?」という主旨のお言葉をいただいたが、残念ながら私はペットを飼っていないので実験できない。ちょっと残念。

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ペットの鍼灸治療

たまに「うちの犬に鍼灸をしてもらえませんか?」なんていう問い合わせがあるのでかしま鍼灸治療院のHPに犬に鍼灸治療をしてもらえますか?という記事を書いた。アクセス解析を見てみると、ときどき検索エンジンからとんできていらっしゃる。需要があるんでしょうね。

ペットの鍼灸治療に需要があっても、残念ながら鍼灸師には法律上は動物の治療を許されていない。獣医師にしか許されていない。しかし獣医師は学校で鍼灸治療を習わないんじゃないだろうか?中国には獣医鍼灸の成書があるのでそういう治療家がいるのかもしれない。

江戸時代あたりの鍼灸の古書をいろいろ調べると、日本でも身近な動物に鍼灸治療をしていたようだ。伝統のある関西の鍼灸学校の森ノ宮医療学園には、はりきゅうミュージアムという博物館がある。そのHPに禰津家鷹の書なんてのがある。鷹匠が利用したのだろうか?

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逆子の灸治療:ちょっといい話編

先週の初め「あさって、逆子の徒手矯正のための検査をするのですが、それまでにお灸治療で治らないか?」という相談がありました。「帝王切開までに・・・」という相談は日常的にありますが、2~3日で逆子を何とかして欲しいというのははじめてでした。

西洋医学の産婦人科領域では逆子の妊婦さんに骨盤位矯正術(外回転術)という矯正術があります。矯正率がやや低めなのと、危険もあるので、行わない産婦人科医もいらっしゃいます。逆子体操も指導されますが、これはさらに効果が薄いようです。先のご相談をされた患者さんも、そういう話を知って、危険性が少ないお灸治療でなんとかならないかと思われたようです。

来院されたおり、私は「時間が迫っているのでお灸をすえましょう」と提案しました。逆子で出産される患者さんがお灸治療を希望される場合、出産まで1ヶ月以上あることが多いので、同じお灸治療でも棒灸といって、棒状になったお灸で足の小指の外側を温める治療を勧めるのが大部分です。この方が安全で、患者さんご自身でもできるからです。しかし今回はちょっと事情が違います。直接お灸をすえることになりました。

二日つづけてお灸をすえましたが、残念ながら逆子は治りませんでした。そこで患者さんは病院に行かれたのですが幸いこの日は検査だけで終わりました。矯正日はさらに3日後、月曜日になりました。そこで土曜は当院でお灸をすえ、休診日の日曜はがんばって ご自宅で棒灸で何回か温めてもらいました。

しかしどうも逆子は治らなかったようです。患者さんはしぶしぶ病院に行かれました。そして矯正の術前にエコーを撮られたのですが、そこでびっくり。なんと逆子が治っていたのです。夕方電話してくださったところでは「朝、赤ちゃんがやたら動くな~って感じていたんですよ」って笑ってらっしゃいました。どうやら矯正術を受ける数時間前に逆子が治ったようです。電話口でその患者さんと私は喜び合いました。

逆子の灸治療の治療効果はかなり高いので有名です。当院で治療したにもかかわらず矯正できなかった方が最近何人か続いてしょげていたので、今回の話は大いに励みになりました。

たまにはこういうドラマティック?な話もいいものです。


逆子の灸治療1
逆子の灸治療2

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陰陽五行を説明するのは難しい

私が属している流派の講習会があった。基礎講座編では講師は兄弟子で、私がサブでついている。

基礎講座では鍼灸学校の学生、もしくは卒業してまもない鍼灸師を対象としている。先月から新規で始めたのだが、こういう講習会は1回目2回目の授業の良し悪しで、学生が継続してくれるかどうかが決まるからかなり緻密に構成と戦略を練らねば行けない。

ところがそれが結構難しい。というのは1回目か2回目で、中国哲学では避けられない陰陽五行論についてのべなければいけないからだ。この陰陽五行論は古代人の感覚体験を理論化したものなので、論理学をベースに組み立てられている西洋哲学のように理路整然としていない。かといって、同じように感覚体験を論理化しているインド哲学ほどには、洗練されていない。

ポイントは形而上的な概念をイメージしやすい内容でどのように説明するかということ、その内容がどのように中国医学の人間観・生理学・診察法と関係づけて説明するかということにある。現代中医学では診察法がかなり粗雑なので、それがあまり成功していない。私や兄弟子はその溝を埋めて説明しなければならない。

まあ学生がどこまで理解してくれたかまだ分からないが、私の説明は結構分かりやすかったのではないかと思う。

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中国医学の説明は難しい

治療院のHPに五十肩の治療方法について書いた。いい文章を書けばアクセス数がアップするのでどんどん書けばいいのだが、中国医学の治療法を一般向けに分かりやすく書くのは難しい。

原因は中国医学で使われている概念が、今の日本人にはイメージできないものばかりだからだ。同業者向けなら流派による用語の定義の違いをはっきりさせておけばいいので書きやすいのだが、一般向けの文章はそうはいかない。分かる文章にしようとすると、大学生の論文の分量くらいにはすぐなってしまう。まさかひとつの病気の治療法でそこまでは書けない。

というわけで、あたりさわりのない文章になってしまうが、他との差別化を出さないと、読んでもらっても来院につながらないので、悩むところだ。

さて、五十肩の治療法の文章はどうだったでしょうか?よかったら感想書き込んでください。

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夏バテの人が多いこの頃

夏というには少し早いが、最近夏ばて気味の患者さんが多い。5月後半に夏日がつづいたが、多くの人の体はまだ夏の体になっていなかったので、暑さに対応できなかった。それに加えて梅雨に入ったので体調をくずしているのである。半年ぶり、1年ぶりの患者さんも何人か来られている。人は湿気に弱い。特に胃腸が弱い民族である日本人は特にその傾向がある。持病がある人は悪化したりする。

雨の日が続くときは、利尿作用のある食べものを勧めている。小豆ご飯、ハトムギご飯、ハトムギ荼などだ。スイカや瓜類は体を冷やすので、まだ食べない方が無難だろう。特に冷え症の人は。

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逆子の灸治療2

昨日の続きです(かしま鍼灸治療院HPの治療方針のページより転載)。今回はこんな治療は要注意!です。

インターネット上で鍼灸の逆子治療を紹介しているHPがありますが、専門の私が見ていて危ないなあと思うような治療もありますので三つほど紹介します。ご注意下さい。

1)三陰交に灸頭鍼
三陰交は内くるぶしの上三寸にある経穴です。ここへ灸頭鍼をするやり方を紹介している鍼灸師がいます。灸頭鍼というのは鍼を刺して、鍼を持つところへ親指大のお灸を乗せる方法です。(写真)

よく紹介されている治療法で一番危険なのがこの方法です。流産する確率が高くなるので妊婦に使用しては危険です。特にお母さんが虚弱であったり流産傾向のある人はダメです。

なぜかといいますと、三陰交は堕胎にも使う経穴なんです。堕胎させるには太めの鍼を使い、とある方法で響かせます。これにも結構技術が必要なんですが、未熟な鍼灸師が知らずに堕胎させるような方法で響かせてしまうことがあります。灸頭鍼の場合は特に太めの鍼を使いますので、妊婦には禁忌としておく方が無難でしょう。

もっともなにをしても大丈夫な妊婦さんもいらっしゃいます。三陰交への灸頭鍼が必ず流産をひき起こす訳ではありません。しかし至陰への温灸で十分なので、わざわざリスクを犯す必要はありません。

2)至陰への自宅施灸

至陰へ温灸ではなくて、直接お灸をすえるやり方も有効です。
米粒の半分くらいの大きさのモグサをすえます。

注意点は<ヤケドをささないこと>ことです。これが結構難しくて、習練が必要なんですね。素人の患者さんにはまず無理です。姿勢的にも自分でするのはヤケドをさせてしまいやすい。

ヤケドをさせても流産するということにはならないと思いますが、妊婦さんの体調がおかしくなることは十分考えられますのでご自身ではやらない方がいいです。信頼のおける鍼灸師にやってもらってください。

3)両方の至陰への温灸

これは流産などの危険度はほとんどありませんが、体調の変化のことを考えるとやらない方がいいでしょう。ツボというのはそのほとんどが左右対称にありますが、どのツボも右と左では使う目的が違うのです(中国医学的にはややこしい理由があります)。至陰も同じ事です。右の至陰だけを使います。

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逆子の灸治療

かしま鍼灸治療院HPの治療方針のページより転載)

逆子の灸治療は昔から有名で、産科病院でも取り入れているところが結構あります。国内外の産婦人科医による逆子の灸治療の効果を記した論文がいくつかあり、産婦人科の医師の間でも有名になりました。

逆子の灸のやり方を以下にご紹介します。妊婦さんご自身でやられても安全です。信頼のおける鍼灸院で治療を受けられて、指導してもらうといいでしょう。

■方法
逆子の灸治療は右足小指にある至陰というツボに温灸をします。温灸というのはモグサを棒状にしたもので、ツボにかざして温めます。人によってさまざまですが、最低でも20分以上あたためます。当院だと多くは1~2回ぐらいで矯正されます。



温めていますと下腹部が暖かくなってきて、お腹のあかちゃんが動き出します。逆子のお母さんは下腹部が冷えていることが多いので、赤ちゃんも寒がっているのかもしれません。お母さんの下腹部が暖かくなると赤ちゃんも気持ちよくなって動き出すんじゃないでしょうか?お灸をすると赤ちゃんが動き出すのを感じると、幸福感を感じられる妊婦さんが多いようです。

一度逆子をされた方、逆子にならなくても虚弱・冷え症の方は出産までの毎日、右至陰への温灸をするといいでしょう。安産で赤ちゃんとご対面できると思います。

■逆子治療で効果が低い妊婦さん
・出産間近:赤ちゃんが大きくなるほど元に戻る率が低くなります。ただし不可能というわけではありません。
・羊水が少ない方:羊水が少ないと赤ちゃんがお腹で動きにくいので、効果が低くなります。
・子宮の奇形:子宮の奇形がある場合にも効果が低くなります。

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認知フレームを変える

前回は、

基本的な単語の概念ひとつをとっても、解釈に解釈者の信念体系がどうしても投影されて、本来の概念を正確にトレースすることは不可能に近い。
ではどうすればいいのか?というのを次回に考えてみたい。

と書いたが、考えてみるとやはり不可能に近い。現代の文章だとまだ可能だが、古典となるとかなり難しい。

現代の文章だと、文献を読むときに分析することを一切否定して、作者の思考過程をそままたどるということを何度も繰り返すといい。これは自分自身の思考パターンを一度放棄して、あたらしい思考パターンを自分の中に作り出すという、神秘学の基本的な行のひとつだ。

われわれは事象Xに対して、いつもは認知フレームAを使って事象Xを認知してA1という判断内容を得ている。通常の人間はこの認知フレームを自在に変えて判断するということはない。事象Xに対して認知フレームAを使うことを「アイデンティティ」と称して自我を確立させているからだ。

その認知フレームAをいったん放棄して別の認知フレームを使ってみるという訓練は、ある意味、「アイデンティティの一旦停止」に他ならない。しかし「作者の意図を理解する」というのはそういう「アイデンティティの一旦停止」を行って、作者の認知フレームを使って判断を行うという内的作業をしないと不可能だ。

しかし古典だとなかなかこうはいかない。続きは次回。

補足:今回書いたやり方は高橋巌著『神秘学講義』(角川選書)に詳しく書いてある。

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解釈は信念体系の投影

前回の最後で次のように述べた。

しかしその場合でも解釈者が持っている世界観や知識が大きく影響する。それまで排除するのはなかなか難しい。

解釈を誤る原因のひとつに、解釈が解釈者の世界観によって影響されるという問題がある。たとえばこんな具合だ。

現代中医学を学習するにはまず中医基礎の教科書を勉強しなければならない。陰陽五行説といった中国哲学の基本や、人体観・生理・病理などの中国医学の基礎理論をまとめてある。本が違っても内容はだいたい同じものだ。

一昔前の中医基礎では、陰陽論の冒頭に「これは祖国の古代人が発明した素朴な唯物論的弁証法で云々」という類の文章がかならず入っていた。ようするに解釈の前提として社会主義的な唯物論思想や弁証法があるのである。これはあくまでも解釈する側の信念体系の投影であって、中国医学のベースとなっている本来の陰陽論を正確に説明しているものではない。昔仏教学を勉強しているときも感じたのだが、基本的な単語の概念ひとつをとっても、解釈に解釈者の信念体系がどうしても投影されて、本来の概念を正確にトレースすることは不可能に近い。

ではどうすればいいのか?というのを次回に考えてみたい。

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現代中医の文献学的な問題点

これは専門家向けの話題。

中国医学の専門書を読んでいていつも辟易するのが、自説を補強するために恣意的に古典を引用することである。古典に記されている言葉の持っている概念を定義するのはなかなか難しい。特に専門用語や今では使われなくなっている言葉ならなおさらである。

ある言葉の概念の定義を明確するのには、その言葉が記載されている本でどのように定義されているかを分析する。それが難しいなら、同じ著者の他の書物でどのように説明されているかを調べる。それが難しいなら、弟子や同門の同時代の著書を調べる。それが無理なら同時代の書物にどう定義されているかを調べる・・・これは文献学的操作の基本的な手順だ。いきなり時代の違う書物や対立する流派の定義を持ち込んでも意味がない。

ところが現代中医学の本を読んでいて、このような文献学の基本的操作をふまえて古典を解説しているのはきわめて少ない。

以前あるところで、『傷寒論』という後漢の時代に書かれた漢方の基本図書に出てくる「寒邪直中」という概念についてある人と論争したことがある。『傷寒論』とはカゼを中心とした流行性の感染症について述べられた本である。カゼは首筋に冷えが入り、体表で冷えと元気が争って微熱が発生し、ひどくなると内に入って高熱が出、それで胃腸がやられると下痢をする・・・云々というカゼの進行過程が論じられている。寒邪直中はそういった一般的なルートをたどるのではなく、寒邪が直接胃腸を犯していきなり下痢をする。もともと胃腸が弱くて冷え性の人がこのような過程をたどりやすい。

ところが論争相手のAさんは、寒邪直中の定義として冷たいものを食べてなるものであるという説を展開した。論拠は現代中医の内科学の教科書にそう書いてあるというのだ。確かに冷たいものを食べると胃腸を悪くする。それを寒邪直中と言ってもいいかもしれない。
しかしそれは『傷寒論』で出てくる定義とは違うんじゃないか?そんな論争だった。

Aさんの論理は、

   ある後漢の時代の書物に出てくるXという言葉の定義づけ根拠として、
     現代のSという書物にYと定義づけている。
     だからXの定義はYである。

というものだ。これは言語の概念を定義する方法としては全く非論理的である。

 なぜならSという書物に述べられている定義Yはその本での解釈である。本来の意味として正しいかどうかとは別物だから。できるだけ正確に定義づけるには、先に述べたような方法をとるしかない。しかしその場合でも解釈者が持っている世界観や知識が大きく影響する。それまで排除するのはなかなか難しい。これについては次回に述べよう。


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中医で花粉症を治す方法2

昨日は中国医学的な花粉症の治し方を書いた。ようするに「食生活から来ていることがほとんどだから、それを改善しないとなかなか治りませんよ」ということだ。

患者さんは私のところへ治療を受けにこられるわけだが、このとき「なんかしてもらって治して欲しい」という意識がほとんどの人にあるんですね。病気というのは「治してもらうもの」であって「どうやったら自分で治せるか」という意識の人は少ない。こういう人はなかなか治らない。

人間の心身の健康はそれぞれの要素が単独で存在しているのではなく、どの要素も関連しあって出来ている。ミクロレベルでは遺伝子や細胞から大きくは自分を取り巻く環境から、それぞれが関係し合って人の心身は出来ている。ある部分が病気になったからといってそれだけ見ていても根本的な解決にはならないことの方がはるかに多い。

治療をしながらそんな発想を患者さんに持っていただけるようにあれこれ腐心する。鍼灸そのものの即効的な治療効果で患者さんをびっくりさせながら、中国医学風の全体論的な養生観をいかに患者さんに実行させるかが腕の見せ所・・・・なのだが、なかなかこれが難しい。

「なんかして治してくれ」って治療に来ておいて、治療者からいきなり「食生活が悪いから変えろ」だけじゃ続けてきてくれないからね。

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中医で花粉症を治す方法

今日の昼休みに、懇意にしていただいている近所の漢方薬局に行ってオヤジさんと話し込んできた。ここのオヤジさんは博識で話し好きな面白い人で、生薬の品揃えの多さでは府下では群を抜いている。料金もとても良心的だ。

オヤジさんと話をしていて花粉症の話題になった。最近、花粉症の患者さんがお互い増えているのである。西医ではいろいろ対処療法をしているがあまり効果を上げていない。花粉症なんていっているが、あれは花粉が主原因なのではなく、冬場の不養生、特に食生活が原因だ、などという話をしていた。

冬場に食べ過ぎて胃腸を弱らせる、特に生ものや冷たいもの・果物を食べて体を冷やす。そうすると体を温める力が弱まり血行が悪くなり水湿代謝が悪くなる。「冬場は腎気(精力)を養う季節」なのだが寝不足で十分養われないまま春になって陽気がつよくなってくると、コントロール出来なくなってのぼせ上がってしまう。足は冷えるのだが目や鼻のあたりが熱っぽくなって水ばながとまらず、目は充血して赤くなる。

漢方だと甘草乾姜湯をベースにして、足の冷えがきつければ附子、お腹の調子が悪ければ人参なんかを加減した処方をするらしい。鍼灸でもそれに応じた治療をする。まあこんな話をして帰ってきた。

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