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頚椎症の治療

頚椎症は頚椎を構成している軟骨・靱帯・骨の変性(頚椎症性変化といいます)によってひきおこされる症状のことです。頚椎症の症状は大きく分けて頚椎症性神経根症と頚椎症性脊髄症、それに局所症状があります。

神経根症:脊髄から手の方へむかう神経の根もと(神経根)が、頚椎を構成している軟骨・靱帯・骨の変性によって圧迫されて起きます。症状としては首から肩・腕・指にかけてのだるさ・凝り感・シビレ・痛みで、ひどい場合は筋力低下を起こします。

頚椎症性脊髄症:頚椎症性変化によって脊髄が圧迫されて起きます。症状は神経根症と似ていて首から肩・腕・指にかけてシビレ・痛み・筋力低下を起こします。特徴的なのはひどくなると、関節の曲げ伸ばし(運動障害)ができなくなったり・歩行障害や膀胱障直腸害(排尿・排便が自分でコントール出来なくなって、失禁状態になる)などの症状です。

頚椎症の症状は頚椎ヘルニアの症状と重なる部分も多く、確定診断するには整形外科でX線・MRI・CTなどを使った画像検査をする必要があります。

●鍼灸治療の適応
さて、次に肝心の頚椎症にたいする鍼灸治療の適応症について述べてみたいと思います。

神経根症状の患者さんは加齢とともに高頻度で発生し、当院にもよく治療に来られます。程度によって治療回数は違ってきますが、かなり効果があります。

問題は脊髄症状のある場合です。脊髄症状のある場合でも、シビレ・痛み・筋力低下といった神経根症状と重なる症状に関しては効果がありますが、神経根症状の治療よりは治療成績が下がります。

運動障害・歩行障害・膀胱直腸障害があるものに関しては、かなり治療成績が下がります。基本的に若干の症状緩和くらいです。この段階だと病院での治療も必要なので、鍼灸治療をするなら医療機関の中でということになるでしょう。ですから当院のように通院していただかねばならない治療院には不向きな段階です。

●当院での治療法
鍼灸師にも治療のヒントになるようなことを書いてみます。

まず最初に頚椎症を治療を考える場合、頚椎自体の問題と痛みやしびれといった症状の問題とを分けて考える必要があります。というのは頚椎自体に問題があっても症状がないこともあれば、頚椎症と症状があってもその症状が頚椎症由来の症状ではないこともあるからです。私はだいたい次のように分類して治療しています。

   頚椎の構成体に変性有り
    症状なし(治療は特に必要なし)
    症状あり
      症状が構成体の変性由来(治療には回数が必要。難易度高)
      症状が構成体の変性以外が原因(比較的簡単に症状がなくなる)
      上記2者の混合型(2~3回やってみないと、予測不可)

基本的なことですが、軟骨・靱帯・骨の変性は不可逆的なものですから(注1)、鍼灸治療してももとに戻ることはありません。しかし頚椎を構成する軟骨・靱帯・骨に変性があっても、症状がなければ治療をする必要はありません。ですから症状がある場合には、「変性があっても症状がない状態」に治療目標をおきます。

ではそれを鍼灸治療でどうやって実現するのか?という問題になります。これは

     筋肉を緩める
     関節の可動性を高める
     炎症を抑える
     日常生活・食生活の指導

という点が治療のポイントになります。当院では以下のような観点で治療します。

筋肉を緩める:頚椎症の場合、痛みがありますから基本的にどこか筋肉が緊張しています。この緊張が症状を増強します。ですからまずそれを緩めるのを主目的にします。筋肉の緊張は姿勢・動作・呼吸の仕方、食生活なども影響しますから、中国医学的・西洋医学的に診察・分析し、治療をおこないます。使う経穴は患部以外にも手足の末端・腹部などから、その患者さんの体調に応じて選択します。

関節の可動性を高める:筋肉が緩めば関節の可動性が高まりますが、それだけでは不十分なこともあります。その場合は頭蓋骨や手、背骨などをソフトな手技療法を使って操作し、患部の関節の可動性を高めます。

炎症を抑える:これは患部周辺に少し深めに鍼を刺すか、手の指の経穴を使うことが多です。

日常生活・食生活の指導:頚椎症に限らず、関節由来の症状はかなり食生活や天気などにも影響されます。日常生活で行って頂きたい養生法をご指導させていただきます。

だいたい以上のような感じでしょうか?ここに書きました治療は頚椎症のものですが、ヘルニアもほぼ同じような観点から治療させていただきます。

(注1)一番多いのが椎間板という骨と骨の間にある軟骨が薄くなるものです。程度の差だけで、加齢とともに誰でも薄くなります。ただし最近再生医療の研究が盛んで、軟骨に関しては近いうちに何とかなるかもしれません。

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03:20 午後 |

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