肩こり(肩凝り)の鍼灸治療
| 肩こり |
| 肩こりは、鍼灸院に来院される理由として多いもののひとつです。特に当院はオフィス街にありますので、肩こりで来院される患者さんは多いです。 西洋医学的にも中国医学的にも、肩こりといってもさまざまな原因があり、治療方法も違ってきます。それを見極めるのが鍼灸師の腕の見せ所です。 以下、よく見られる原因を列挙しながらご解説します。患者さんの多くは以下に記した原因を2種類以上持って来院されます。 |
| 筋緊張による肩こり |
| 筋肉は収縮・弛緩することによって血行促進され、「凝り」の無い状態が保たれます。ところがディスクワークや細かい手作業などで、同じ姿勢、特に前かがみの姿勢が持続されますと、頭部をささえる後頚部~肩にかけての筋肉に過緊張が続いて血行が悪くなり、その部分が「凝って」きます。 オフィスワーカーの肩こりの大多数はこのタイプです。このタイプの肩こりは、他の原因がないならば、筋肉をよく動かしてやると解消されます。仕事の合間や帰宅後、休日によく運動をすれば治ります。 鍼灸治療でもっとも治しやすいタイプの肩こりですが、筋肉の過緊張が続きますと、また起こります。ふだんからよく体を動かすのが根治療法になります。 |
| 眼の使いすぎ |
| コンピューターのディスプレイや、眼を使う細かな作業を続けていますと、まばたきの回数が少なくなり、眼球周辺の筋肉が緊張してきます。 また、中国医学では目は肝と深い関係があり、肝は血を蔵す臓器なので、目の使いすぎは肝血不足をひきおこすとされていいます。肝血が不足すると、筋肉のひきつり(特にまぶた周辺)をよく起こします。これに、ドライアイ、目のかすみ、視力低下も加わります。 このタイプの鍼灸治療は首や肩の筋肉をゆるめるのと、肝血を増やすのと両方の観点から治療します。 |
| 根の詰めすぎ |
根を詰めるのは「気を張って」いる状態ですが、中国医学ではこの「気を張る」主役は「肝気」だとされています。つまり根を詰めるには肝気が使われていると考えています。ところがこの肝気は、のびやかな状態が健康的なすがたとみるため、根を詰めるの過ぎるのは肝気を消耗させ、さらに肝気を生み出す肝の働きを失調させる原因になります。肝が失調しますと、首や肩、脇などの筋肉が引きつったりします。 このタイプの鍼灸治療は、肝気をのびやかにするのが治療方針となります。 |
| 頚椎変性由来 |
| 肩こりと思っていて、マッサージなんかをしてみたけれどもなかなか治らないので、整形外科を受診してレントゲンやMRIと撮ったら頚椎に問題があった・・・なんてケースもよくあります。頚椎自体の変形、あるいは頚椎と頚椎にある椎間板という軟骨が薄くなる、頚椎ヘルニアなどで、かつその程度が低いによるみられる例です。頚椎変性がひどくなると上肢にしびれがでることがあります。 整形外科的には首の牽引や温熱治療、低周波通電などをすることが多いですが、あまり効果はありません。 このタイプ鍼灸治療ですが、鍼灸では残念ながら頚椎変性や椎間板が薄くなったものを元に戻すことはできません。 しかし頚椎変性によって引き起こされた炎症を消炎させたり、頚椎周辺の細かい筋肉・靱帯を緩めて関節の可動性を改善させてやると症状が消えてしまうことが多々あります。鍼灸治療ではそれを目標にします。 補足ですが、頚椎ヘルニアがあったり、頚椎変性があったりしてもまったく症状が出ない方も大勢います。整形外科的にも、頚椎変性と凝りや痺れの関係性がいまひとつ解明されていません。 |
| 筋力低下 |
| 痩せていて、虚弱な体質の女性に多いのが筋力が弱すぎるための肩こりです。肩の筋肉は、頭部や上肢を支えるのに使われますが、頭部や上肢を支える力が弱すぎると、筋肉への負担が大きくなりすぎます。 このタイプの治療は筋力アップのトレーニングが必要です。筋力アップといってもアスレチックジムなどで筋トレマシンを使ったトレーニングは必要はありません。このタイプは関節も弱いことが多いので、いきなりマシントレーニングをすると関節を痛めることもよくあります。私はどこでもできるヨーガをお勧めしています。それにゆっくり水泳したりジョギングしたりするのを加えればいいでしょう。 このタイプの鍼灸治療ですが、肩こりに焦点をしぼった治療をしても、あまり治療効果が長持ちしません。このタイプは虚弱体質を治す内科的な治療をベースに治療することが必要になってきます。内科的な治療が必要なので、治療期間は長くなる傾向にあります。 |
| 夜食 |
| 「食事と肩こりが関係あるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。中国医学的には「大あり」なんです。この場合の夜食とは午後9時をまわっての食事を指します。仕事が忙しくて遅くに帰宅し、午後9時をまわって夕食をすませる方は多いでしょう。このような生活が長く続きますと肩胛骨のあいだから、肩首にかけて凝ってきます。 このタイプの肩こりになられる方は胃腸の丈夫な方が多いです。胃腸が弱い方は肩こりの症状が出る前に胃腸を悪くすることが多いので、夜遅くの食事は控え気味にされます。ところが胃腸の丈夫な方は胃腸の自覚症状があまりないために肩凝りの自覚症状を先に感じます。 このタイプの肩こりはなんといっても食養生です。夜遅い食事を止めていただくか、少なめにしていただきます。最初はお腹がすくかもしれませんが、続けると慣れてきます。それから夜あまりたべないと朝お腹がすきますので、朝を多めにたべるといいでしょう。 鍼灸治療としては食積の治療をベースに肩こり治療を行います。食積とは食べたものが消化・吸収・代謝の過程のどこかがスムーズにいっていないことです。これをまず解消してやってから肩こり治療を行います。食積由来の肩こりは食生活を改善するだけでも、凝り感が何割かはよくなることが多いです。 |
04:12 午後 | Permalink
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